他家歯髄幹細胞を用いた歯髄再生治療

~歯の根の病気で悩んでいる患者様へ~

弊院では、歯の再生治療の臨床研究に参加してくださる患者様を募集しています。

この臨床研究では、他の方の歯から作られた歯髄幹細胞を使用し、患者様の歯(歯髄)が再生するか確かめます。歯髄が再生すると、歯がより丈夫で長持ちすることが期待されます。これまではご自分の不用歯(親知らずなど)がないとこの治療を受けられませんでしたが、この研究が成功すれば、将来的には不用歯がない患者様でも歯の再生治療を受けることができるようになる可能性があります。

 

現在行われている自家の歯髄再生治療の概要

 

どのような臨床研究ですか?

この研究では、患者様の歯の根管(根の中)をきれいにして、人工物を詰める代わりに、他の人の歯からとった細胞(他家歯髄幹細胞)を移植して歯髄が再生する治療を実施します。約1年間、経時的に経過観察を行い、全身や歯の状態(安全性)および歯髄再生の効果をみます。その際、弊院以外の医療機関で血液・尿検査やMRI検査を受けていただく必要があります。

この研究の計画は、厚生労働大臣の認定を受けた特定認定再生医療等委員会で審査を受けた後に、厚生科学審議会において審査を受け、厚生労働大臣に受理されたうえで実施されています。

 

 

対象となる患者様は? 

ご自身に不用歯(いらない親知らずや矯正治療で抜く歯など)がなく、不可逆性歯髄炎あるいは根尖性歯周炎になっている患者様が対象です。  

  • ・不可逆性歯髄炎とは

歯髄が炎症を起こし、炎症を治療することが困難な歯。
痛みを伴い、抜髄(歯髄を取る)治療が必要な状態です。

  • ・根尖性歯周炎とは

歯髄が死んでおり、根尖部歯周組織(根の下)に炎症を起こしている歯。感染根管治療(根の中のお掃除)が必要な状態です。

 

さらに以下の条件を満たす患者様を募集しています:

    • ・年齢:18歳以上
    • ・健康状態:重篤な合併症や有害な感染症がないこと
    • ・妊娠中でないこと、治療期間中に妊娠を希望しないこと
    • ・矯正治療中でないこと
    • ・抗菌薬や局所麻酔薬にアレルギーがないこと
    • ・MRI検査を受けることができること

それ以外にも条件はありますが、治療の前に詳しく確認・説明いたします。

 

臨床研究とは何ですか?

臨床研究とは、患者様のご協力のもと、新しい治療法や薬の効果や安全性や有効性を確かめるために行う研究のことです。これにより将来、同じ病気になった多くの患者様の治療に役立つことになります。

 

なぜこの研究が必要なのですか?

歯の治療法は日々進歩していますが、さらにより良い治療法が求められています。歯髄再生治療はご自分の歯を用いた治療ではすでに100例以上に実施され、安全性と歯髄再生の効果が認められつつあります。本研究では、ご自分の不用歯がない患者様のために、他の人の歯を用いて治療を行い、安全で効果があるかどうかを調べます。

 

研究の安全性や人権に対する配慮について

この研究は、参加された患者様の安全や人権を守るために、「ヘルシンキ宣言(ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則)」、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」等に従って実施されます。

  • ・情報の提供:

研究の内容やリスクについて、厚生労働省の再生医療の公開サイトおよび本ホームページにも添付している「説明文書・同意書」に基づいて、十分にご説明した上、同意を頂いて実施します。ご不明な点は、いつでもお尋ねください。また、研究の間に、新たに治療に関わる安全性や治療効果などの情報が得られ、参加の意思に影響を与える可能性があると考えられる場合は、速やかにお知らせします。

  1. ・同意の撤回:

本研究への参加に同意いただいた後であっても、いつでも研究参加の同意を撤回することができます。また、同意を撤回したことによりあなたが不利益な扱いを受けることはありません。撤回後は人工物を詰める通常の治療に戻すことが可能です。

 

参加していただくメリット

 

  • ・歯髄が再生されることが期待できる: ご自身の歯を失うことなく、長く健康な状態を維持できる可能性が高まります。
  • ・最先端の治療を体験: まだ世の中に広く知られていない、最新の再生医療を体験できます。
  • ・新しい治療法の開発に貢献: この研究に参加することで、将来、ご自分の不用歯(親知らずなど)がない多くの方が歯の健康を取り戻せる可能性に貢献できます。

 

考えられるリスク

 

  • ・治療の進め方: 事前の根の治療状況によっては、予定していた治療計画を変更し、従来法の人工物で根を充填する可能性があります。
  • ・感染のリスク: 未知のウイルスが混入してしまう可能性は全くないとはいえません。
  • ・副作用の可能性: 細胞移植の際に一緒に用いるコラーゲンや増殖因子(G-CSF)により、一時的な発熱、腫れ、アレルギー反応などの副作用が生じる可能性が全くないとはいえません。
  • ・その他: 他家歯髄幹細胞の移植による拒絶反応はこれまで報告されていませんが、まだ研究段階の治療であるため、予期せぬことが起こる可能性が全くないとはいえません。

 

参加の費用

 

  • ・臨床研究に伴う治療や検査の費用は当院が負担しますのであなたの負担はありません。臨床研究のあとにおこなう必要がある補綴・修復治療に関しては参加されたかたのご負担となります。
  • ・臨床研究のための交通費は1日3千円まで当院が負担します。
  • ・臨床研究に参加の負担に対し1日7千円の軽減費をお支払いします。

 

 

治療の流れ

 

参加方法

参加をご希望の方、詳細な情報やご質問がある方は、遠慮なくお問い合わせください。
お問い合わせフォーム:https://www.rdshikaclinic.com/contact/

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